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2012年07月08日

さよなら、マスター/T バード、ダストボックスそしてカズ

2007年7月29日(日) 01:11 ▼コメント(12)

 追悼記事です。緊急にアゲる必然性がありましたので。創作ではありませんが、『失われた街角』が適当と考えコチラにしました。

 現在どのお店も営業しておりません。

 cafe bar & restaurant T BIRD since1984
 足寄郡足寄町西町4丁目 定休日 曜日
 営業時間 11:00~22:00

 BAR DUST BOX
 帯広市西1条南11丁目山口薬品地下 定休日 第1・3曜日
 営業時間 20:00~28:00

 喫茶T BIRD2
 帯広市東3条南3丁目4-6 定休日 不明 営業時間 不明

 Maui CafeKAZZ
 (当初)帯広市西4条南10丁目19
 bar KAZZ
 (移転後)帯広市西1条南10丁目クボタビル2F
  定休日 不明 営業時間 不明

 メイン画像はTバードの全景。ご記憶のある方いらっしゃいますか。

さよなら、マスター/T バード、ダストボックスそしてカズ




 まだマスター(故大平一彦氏)の身体がこの世に残っているうちに、この記事をアゲておきたいと思いました。できうれば、生きている彼に対してこの記事を読んでもらいたかったし、もっと言えば、こんな記事書きたくなかったのですけれど。

 昨日の朝、新聞のお悔やみ欄で名前を見つけた時、ワタシは半信半疑でした。しばらく考えたあげく、同姓同名なのだろうと判断したりして。いや、そうしたかったのです。まず足寄の会社の取締役であったことは初耳でありましたし、享年がワタシの年齢と変わらなかったせいもあります。ワタシはマスターのことをもっと歳上だと思っていましたから。

 ところが思い直して別の新聞を確認してみると事態は悪い方向にはっきりしたのです。新聞に掲載されていたのは、間違いなくマスターの名前でした。7月26日午後3時3分前、マスターの命はこの世から失われてしまっていました。

さよなら、マスター/T バード、ダストボックスそしてカズ

 足寄にTバードという店があることは、タウン誌を通じて知っていましてね。三角屋根も含めて、真っ白なアメリカンハウス風な店舗ではカレーと鉄板スパゲティが名物。特にカレーは5倍から20倍まで辛さを提供していたらしい。


 2階にはビリヤード台もあって、というまさにトレンディーな世界を足寄という土地で展開していたのです。’84オープンというまだバブル時代に突入する前のこと。

 名物のカレーを試してみたくて、ワタシは気にしてはいたものの、結局Tバードと訪れることはできなかった。しかしTバード。やっぱり、サンダーバードのことなのでしょうか。

さよなら、マスター/T バード、ダストボックスそしてカズ

 ’88年の12月にダストボックスでマスターは帯広に進出。カジュアルなカクテルバーのハシリともいえる存在。この店から旅立っていったのが、バー・ストーンヒル(西2南10エルプラザ地下)で一世を風靡した石野マスター(名前正しかったかしら)。


 ワタシは何度もダストボックスを訪れました。基本的には一人で。この頃には決まった女性とお付き合いしていましたから、そのヒトと一緒にも何度か。洋酒のとのツキアイ方というものを学び始めたのは、この店が最初だったのかもしれません。

 個人的にもマスターと係わり合いが出来て、自宅を訪問したり、ワタシの結婚式にも来てもらったり。その時いただいたドン・ペリニオンは結局、結婚10周年を迎えた時に開けました。

 そして年代ははっきりしないのですけれど、平成に入ってからTバード2も開店。ここで、ワタシは伝説のカレーに出会うことができました。でも昼時しかマスターはいない、ということもあって、あまり足が向く機会はありませんでしたね。

 マスターが帯広をしばらく離れた時期があります。その間彼はハワイで店を開けていたと聞いています。その後帰国。かつて龍'S BARがあった場所にマウイバー・カズをオープンしました。

 ハワイアンテイストに溢れた店舗作りでしたが、基本はダストボックス時代と変わりませんでしたし、以前と同じようにワタシ自身も利用していました。余裕がある席数でしたので、人数がいて困った時には使える便利なお店。

さよなら、マスター/T バード、ダストボックスそしてカズ

 どんな客の要望にも、大概応えてしまうことができるマスターの技量や心遣いにワタシは信頼を置いていたからです。勘定も極めて良心的でしたし。店舗の位置が変わって、バー・カズになってもそれは変わりなし。


 それこそ数年ぶりで訪れても、変わらぬ笑顔で迎えてくれたものです。そして、キープしていたボトルを流すことを決してしませんでした。それがマスターの顧客に対する姿勢の表れだったとワタシは信じています。

 呑んだくれたり、急に無理ばっかり言うワタシにさえ与えてくれた優しさは、他のどの顧客に対しても平等であったはずです。決して千客万来というワケではありませんでしたけれど、常連客とマスターは信頼関係という絆でつながっていたのです。

 ですが、そのマスターはいなくなってしまいました。

 ワタシはこの数週間酒を絶っています。その事実とマスターの死は直接の関係はありません。けれど、どこかでつながっているのではないか、という念を禁じることができないのです。

 何年、あるいは何十年かすればワタシもこの世から消えることになります。そうなれば、またマスターにカクテルを作ってもらったり、酒の話しを聞く機会が得られるのでしょう。その日まで待っていてくださいますか、大平一彦マスター。

 ご冥福をお祈りいたします。

さよなら、マスター/T バード、ダストボックスそしてカズ




コメント(12件)


2007-07-29
ゲスト @octv.ne.jp
マスターの体調が良くないのは知人から聞いてました。そして、26日亡くなったと連絡があり、もうあの笑顔が見れないかと思うと寂しいです。
「体調が良くなったらまたお店やるんだ」と聞いて、再開を楽しみにしていましたが、叶うことなく残念です。




2007-07-29
端野 萬造
>ゲストさま
 生き急いでいたのかな、という気がいたしますね。

 お店というのは改めて述べるまでもなく、ハードではなくてソフトです。経営者の人柄、そしてお客で店の雰囲気が貌(かたち)づくられていくものですよね。

 今まで、失われた店をいくつか紹介してまいりましたけれど、経営者が生きている、あるいはスピリットを受け継ぐ人間がいるうちは復活が期待できますけれど。

 大平マスターの遺志を継ぐ方はいらっしゃるのでしょうか。そのことがまた残念です。帯広から佳店がまた失われてしまいました。

 喪失感としては、かつての名店バー・キャメルの閉店以上にワタシとしては大きいです。

 コメント、ありがとうございました。



2007-07-29
七誌 @plala.or.jp
私も一時、TバードⅡやDUST BOXには通ってました。

職場の先輩に教えてもらって、よくカレーやパスタ、大きなエビフライを食べた記憶があります。

料理やカクテルにはかなりの知識と技術をお持ちの方でした。

とにかく遊び心が好きな人でしたね。

新聞を見てひょっとしたら・・・と思ってましたが、やっぱり本人だったんですね。

亡くなった病名が知りたいです。



2007-07-29
二郎onTERANO
昭和から平成になるころで、しばれ町に住んでいたとき一時ビリヤードブームがありましたが、そのときに行った記憶があります。


2007-07-29
ai
私も一時期通わせて頂きました。

先日友達から訃報を聞き、病名を自ら公言し、
自分の身の回りを整理していったんだよと
聞いて皆で涙しました。
死は誰にでも平等に訪れる、けれど、それを迎えるのは
まだ辛いです。
ご冥福をお祈りいたします。






2007-07-30
ヤックル@八戸 @jp-t.ne.jp
現在青森県在住の者です。
常連の方からメールを頂いて知りました。
帯広に転勤したての頃にラグビーが縁でマスターと知り合い、KAZZに通わせて頂きました。
帯広に遊びに行ったら会いに行こうと思っていたので残念です。
ご冥福をお祈りします。



2007-07-30
よしえ @ezweb.ne.jp
Maui Cafe KAZZです。その後移転してbar KAZZになりました。
皆さんに知らせたい事があります。
店を閉める事になりますが、預かり物があります。ので、8/17(金)~19(日)の3日間、店を開けさせてもらいます。ボトルキープされてる方、されていない方も是非ご来店ください。ボトルは店で飲んでも、お持ち帰りになってもどちらでも構いません。みんなでマスターの話をしましょう。
帯広市西1条南10丁目クボタビル2F
bar KAZZ




2007-08-04
端野 萬造
>七誌さま
 あ、奇遇ですね。DUST BOXでは同席していたかも知れませんね。

 Tバード2(Ⅱ?)では、確かに大きなエビフライをカレーのトッピングにしていた時期がありましたね。どうしようかな、書こうかな、と迷ったのですが割愛しました。

 貴殿にご指摘いただいて、やはり印象深い一品であったこと、再認識いたしました。

 マスターにこの記事をどこかで読んでいただいて、ニヤニヤしてもらえればなぁ、といったココロ持ちです。

>二郎onTERANO
 しばれ町は隣町ですけど、それでも結構距離がありますね。当時帯広市内にも結構な数のプールバーがございましたよね。

 ワタシが憶えているのは大通南10丁目にあった桜館(サクラハウス)。4つ玉でしたね。

>aiさま
 なんと。aiさまはKAZZのほうでしょうけれど。ちゃんと連絡が入っていたのですから、ワタシよりも余程マスターに近いところにいらっしゃったのですね。

 若い世代にとっては、いい兄貴分といったところだったでしょう。誰からも頼られ、慕われていましたからね、マスターは。




2007-08-04
端野 萬造
>ヤックル@八戸さま
 よくコチラにたどりついていただけました。マスターが導いてくださったとしか考えようがありません。ワタシが訃報を確認することができたのも偶然でしたから。

 ラグビーがご縁だなんて。そんな一面をマスターが持っていたとは意外でございました。

 コメントしたいただき、ありがとうございました。

>よしえさま
 マスターに大変近い立場の方とお察しいたします。ご指摘、ありがとうございます。早速直させていただきます。

 先日、主なきKAZZに寄ってまいりました。告知文及び行灯はその時撮影したもの。

 是非お伺いしたいと考えております。こんなかたちでお会いするのは残念なのですけれど、これもマスターが導いてくれた縁なのでしょう。

 コメントありがとうございました。




2007-08-09
よしえ @ezweb.ne.jp
申し訳ありまはせん。訂正します。ボトルをキープしている方はbar KAZZまで取りにきてください。以上です。




2007-08-09
端野 萬造
>よしえさま
 大変なご様子よくワカリます。あの世でマスターが笑って見てますよ、きっと。


2007-08-19
端野 萬造
http://www.mytokachi.jp/mt.php?id=kabamaru_7&bbs_code=352&res_code=284

 bar KAZZに行ってまいりました。


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Posted by きむらまどか at 09:52│Comments(0)創作・失われた街角
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