2012年11月11日
あなたの瞳がいとしくて/ワタシのモディリアーニと白い地下
2008年4月19日(土) 08:32 ▼コメント(17)
会場からの写メール。(←死語か)
東京・国立新美術館でモディリアーニ展が開催されていることは知っていたのですよ。「行きたいなぁ、観てみたいなぁ」って。まぁ、無理な望みとはワカっていたのですけれど。そうしたら、なんとエージェントさまから「国立新美術館にて」というメールが入りましてね。「うっわあ、いいなぁ」メールには題名以外一言もなかったのは、並ぶのに大変だったんでしょうね。大都市の展覧会って大抵そうなのよ。10年前東京上野で観たピカソの時もそうだった。う~ん、ピカソとモディリアーニか。運命感じるなぁ。
<<カリアティッド>>1914年
ジョエル・D・ホニッグバーグ夫妻蔵ポストカード
で、おみやげにポストカードを2枚頂戴したのですけれどね。1枚はプリミティブ(原始)美術の影響を受けた初期の作品。今回の展示会はこの手の初期の作品が多数なのが特徴のようですね。この時期のはワリとどうでもよいの、ワタシ。ピカソのキュビズムとの関連はどうなのかしらね。
ジャンヌ・エビュテルヌ(妻であり最愛の人)
通常、モディリアーニといいますと「アーモンドのような形の白い目とながーい首」が特徴とされていますわね。ワタシ、今までもこれになんだか魅かれるものはありまして、気になる作家でありました。画像はhttp://www.albatros-film.com/movie/modi-movie/museum.html#okayama より引用しましたけれど、下の絵と全然印象違いますでしょう。同じ女性なんですよ。「眼は口ほどにものをいい」でございますれば。
ああ、美しい。素敵
モディリアーニで瞳がしっかり描かれているのを意識して見たのはこのポストカードが初めてじゃないかな、と。実はワタシ、この眼差しにノックアウトされてしまってます。寝室にピンで留めてあるのですけどね、目が会うたびにキスしちゃうんですよ。眠る時も目覚めた時も見つめていてくれるのですよ。いや、正確には眼はワタシに合っていませんよね。でも微かに視線を感じてしまうんだよな。う~ん、希 望といったほうがいいのかな。「ワタシのことも見てくれたらな」みたいな。あ、そうか。だからキスしたくなっちゃうんだ。愛されたくて。
今回「まんへり」にカキコしようと色々調べておりましたら、なんとモディリアーニの生涯が映画になっていたんですね。「モディリアーニ 真実の愛」 (2004年作品)。なんと主演はアンディ・ガルシアさまじゃございませんか!!「本当の君が見えたら、その瞳を描こう」なんて、言ってみたいですわね、こんなセリフ。口にした瞬間にワタシ自分自身のカッコよさに卒倒してしまうかも知れません。「ありえねー」
ああっ、なんてカッコいい
なんたって、映画アンタッチャブルのクライマック・シーンでアンディ・ガルシアさまに痺れてしまったワタシでございますよ。主役のケビン・コスナーを喰ってましたね。ブラック・レインで松田優作さまに殺されてしまった時には哀しかったな。マイケル・ダグラスをヤリャいいんだよ。パソコンでご覧の方はぜひ是非、予告編をご覧になってくださいまし。これは借りなきゃ、というかDVD買ってしまうと思います、ワタシ。
で、ワタシがモディリアーニと出合ったのはいつであったかな、といいますと。今から20年以上前にロシア料理とウオッカの店白い地下の存在を知った時に遡ります。白い地下ってくらいですから、地下にありましてね。口の悪い方は「白い地下なのに汚い」と。場所は西1条南12丁目。今はバスタッチになってしまっているあたりですね。隣の店の名前は狸穴(マミアナ)のはず。
一番最初は学生バイトの頃いいだけ酔ったあと、先輩に連れていかれた時ですね。酔った頭に自主制作映画はきつかったな。画家兼マスターの与佐田さまは店もやりつつ、そんなこともされていたのですね。
与佐田清一郎『ヴァイオライカのみた橋』1998年端野萬造蔵
学生を卒業したあと、しばらくして通うようになりましてね。ウォッカをストレートで呷っては、酔いつぶれておりました。ピロシキ、ペリメニ、ボルシチ、ビーフストロガノフなんてのも、意外に旨くてですね。ああ、懐かしいなぁ。偶然、学生講師の頃教えた生徒が女教師になっておりまして、店で再会。チェスをしたなんてこともありましたね。勝ったんだよな、あの勝負。
で、ロシアかぶれの与佐田さまは、自作のモチーフとしてバラライカをよく描いていらっしゃいました。もう、なんにでも組み合わせてしまうのですよ。上で紹介しているのはワタシがお願いして描いてもらった水彩画です。メインは旧十勝大橋。これにまでバラライカですからね。おまけにバイオリンと組み合わせて、ヴァイオライカですもの(笑)。いやぁ、芸術家の考えることは想像を絶します。矢を追加するのも芸風なんだよな。
いっやぁ、今回の記事は延べ6時間かかっちゃいましたけれど、楽しかったな。お読みになった方は、どうでしたかね。こんなカキコも端萬クオリティということでご容赦を。
コメント(17件)
04-19 12:56
nanae
私も詳しくは語れませんが絵画は比較的好きです。
ルネサンス絵画時期の雰囲気が漂っていてモディリア
ーニは懐古な情緒を感じますね。また楽しみにしてお
ります。
04-19 17:44
端野 萬造
管理者により削除されました
04-19 17:59
端野 萬造
レオナール・フジタ展の日付間違ったので、↑削除。
>nanaeさま
ルネッサンス絵画とモディリアーニの作風に共通点を見出せるものなのですね。というか、常識的なことなのかしら!?残念ながら絵画は全然ワカリませんでね、ワタシ。でも好きなんですよ。画家の生き方、ってのに魅かれる部分があるのでしょう。特に破滅型の方に。にも関わらず、レオナルド藤田も好きなのですよ。あの『白』がなんともいえませんでね。来月札幌に行きますんで、道立美術館に寄りまーす。
http://www.leonardfoujita.jp/
ぐわ、来月じゃなくて7月12日からじゃないか。困った。なるほどね、日本にあって異邦人であった藤田嗣治に自分を重ねてしまうのかもしれません。かなり恐れ多いけれど。藤田は仏蘭西に安住の地を求めたワケですけが、ワタシのはいずこにあるのだろうか。
ごめんなさいねー。滅茶苦茶な記事にしてしまって。でもこれがワタシの限界なの。
04-19 22:29
nanae
レオナール藤田も楽しみにしています。
7月までまってますよ~。
モディリアーニの人生にも悲哀というより自由を
感じてしまいますね。彼を取り巻く女性の人生も
魅力です。彼ほど人に愛された男もいないでしょう。
ある意味うらやましいかも・・・・・
04-19 23:14
端野 萬造
>nanaeさま
7月12日から9月4日までですからね。これはバスに乗って行かなきゃならないかも、です。クルマだと運転に集中しなきゃならないし、JRだとなんだかワカラないうちに着いてしまうし。自費で行くならバスかな、と。時間掛かる分物事考えたり、本を読んだり。集中できる時間を継続して作ることができる。
映画「モディリアーニ 真実の愛」はパブロ・ピカソとの対比の図式で描かれている部分もあるようです。映画でモディリアーニはピカソに拳銃を突きつけられながら吐かれた言葉。「お前と俺の違いは『成功』だ」と。モディリアーニは36歳で亡くなり、生存中名声に包まれることはありませんでした。ピカソは90歳を超えるまで生き、生涯を華々しく終えました。どちらが幸せだったのか、は無意味な設問といえるのでしょう。
藝術に殉ずる覚悟という意味において、両者にそれほどの差はなかったのかも、という予感がしております。
04-19 23:38
トーちゃん
ズブロッカを初めて口にしたのは白い地下、でした。
あの香りと鮮烈な口当たりにびっくりしたのを覚えています。 なんたって店の雰囲気が怪しいのなんのって!!
何度か足を運んで、ピロシキとかボルシチとか頼んだなあ。
学生の頃の妖しげな思い出ではあります。
懐かしいです。
04-20 00:07
端野 萬造
>トーちゃんさま
ウオッカ。ズブロッカにしろ、なんにしろ、現在ではテキサスさまあたりでも取り扱っていますけれど、当時は白い地下でしか呑めない、というものもございましたからね。今となっては銘柄を全然憶えておりませんけれど。なんせ、大概泥酔状態でしたからね。その割には色んな話しをしていた記憶が。
珍しいところでは貴腐ワインを取り扱っておりましてね。甘くて濃厚な味わいでした。ああ、こういった世界もあるのだなと。妙に感心した記憶がございます。ハンガリー産でしたね、確か。
今考えてみると、一体あの狭い厨房でどうやってたんだろう、という感じなんですが料理はしっかり作っていたんじゃないでしょうか。札幌のロシア料理の店がどうしたこうした、なんてこともお話ししてましたから。
一体あの店の勘定って、どのくらいの水準だったのだろう。今となっては、とんと思い出せないや。
04-20 14:10
かりかり
★"萬造さーん
こんにちは。
絵画は 分かりません ワタシは。
モディリアーニ 今朝9時~テレビ入っていたようですね。
今晩20時 NHK教育テレビ 再放送 よろしければ…。
04-20 14:21
端野 萬造
>かりかりさま
情報ありがとうございます。新日曜美術館 「モディリアーニ~仮面に秘めた人生~」でございますね。今朝のは見逃してしまいましたので、再放送は万難排して観賞しなくては。
あら、司会は壇ふみさまじゃないですか。ゲストはお仏蘭西といえば岸恵子さまですよね。スッゴイ楽しみでございます。感じるものがあれば、再度コチラにて述べさせていただきましょう。
04-20 21:31
端野 萬造
たった今観終えました。「酒と女をみちずれに35歳で燃え尽きた」なんてのはワタシにとっての理想みたいなものですわね。
そうか「謎」が多い男に女性は魅かれるのか。ワタシは分かりにくいだけなので、駄目なのでしょうね(苦笑)。モディリアーニと藤田嗣治に親交があったというのは知ってましたけれど、藤田を描いたデッサンまで残っていたとは。
「モディリアーニは人一倍、孤独を恐れていた」
虚無的と捉えていた絵の表情は、最終的には「死」を表現していたのですね。仮面のような表情を描いていたに留まらず、自身にも仮面をつけて世間と渡り合っていたというのは新事実。「結核と悟られるくらいなら、まだ酔っ払いと思われたほうがいい」
(続く)
04-20 21:32
端野 萬造
(続き)
「ココナッツ」ってジャンヌは呼ばれていたんだ。実はワタシ、ココナッツ好きなんですよね。先日エージェントさまにジョエル・ロブションのスフレココいただきまして、大切に食べております。イズヤのココナッツ使ったパンも好きだったんだよな。どなたか名前憶えてません?
モディリアーニとジャンヌの悲劇的な最後については触れられていませんでしたけれど、巨匠ルノアールとのエピソードには象徴的なものを感じました。「君は絵を描いていて、楽しいかい」
最晩年に描いた唯一の自画像の表情を壇ふみさまは「すべてが透明になったような」と表現されました。けだし名言だと。ワタシも早くその境地に達したいものです。
04-20 21:33
トーちゃん
学生の身にとってはけっこう高めな値段設定だったように思います。 なんせ畜○生ですから・・・
でもマスターはその時の気分によって、とんでもなく安くしてもらった事もあったと思います。
自分の印象では、どことなく「反体制」の香りがする不思議なお店だったなあ。
テーブルに置いてあるノートにええかげんな事を書き殴ってはゲラゲラ笑っていた記憶もあります。
マスターはお元気なんでしょうか?
すいません、モディリアーニの話には全くついていけませんので・・・
04-20 21:51
かりかり
★"萬造さーん
楽しみにされていただけ期待通りにテレビ観れたようで何より (^-^)
04-21 06:22
端野 萬造
>トーちゃんさま
マスターの気分によって、ですね。なんとなく理解できる。そこらへんはワリといい加減なものでしょうね。ユルいというか。学生に対する温かいまなざしというものがあったのでしょう。ロシア(ソ連)かぶれの反体制となると年代的には1950年代くらいに遡るハズですから、マスターの青年時代と考えてもあまりに古い。世代的というより、個人的趣味だったのでしょうね。
考えてみるとワタシの場合、勘定払う時に記憶がなくなっている場合が多いわけですから、ワカんなくて当然といえば当然なのかも。
与佐田マスター、今はどうされているのか。帯広にいらっしゃるかどうかさえ、わかりませぬ。それでも、白い地下に関して記憶のあるかたにコメントしていただいて、いい供養(?)になりました。モディリアーニとあわせてアゲといて良かったな、と。
04-21 06:27
端野 萬造
>かりかりさま
ええもう、30秒ほど放映開始に遅れてしまいましたけれど、しっかり観ることができましたよ。エージェントさまにも連絡いたしましてね。最初の放映はラスト近くの部分しか観られなかったんですって。同日再放送のことはご存知なかったらしく、喜んでおりましたよ。かりかりさまのおかげで、少なくとも二人救われたということですね。感謝いたします。
06-11 17:45
しょうぞう。
白い地下・・・大阪から帰ったばかりの頃嫁さんといったことがあります。食事をしに(笑
カウンターにお一人お客様がいらしていて、お料理2~3品頼んでしまったものだからマスター大忙しでした。
お料理はおいしかったと記憶しています。
住所と名前を書いたらお葉書が来ていました。
「周辺事情の変化で閉店・移転するかもしれませんがそのときはお知らせいたします」というような内容だったと思います。
アートな葉書だった・・・しみじみ
06-12 07:53
端野 萬造
>しょうぞう。さま
おー、体験者さまでしたか。今でも店の光景が目に浮かぶようです。先日'99にいただいたロシアの店「白い地下」よりの年賀状を見つけました。薄い緑の文字でカキコされたものです。面白いので、引用してみましょう。(前略)年頭一番恐縮ですがよく聞かれる店名の自己解説をさせていただきます。思えば二十余年前、一介のロシアファンが転じ超過酷な地域状況(人の理解と自己の人望のなさゆえ)の中で始発となり当時の店の周辺も裏町という感じでひっそりとしていました。(今もそうかな?)そこでモディリアーニの女の顔を看板に店名はゆーきーの白かばなあみきーをシンボライズして(したつもり)地下はドストエフスキーの地下室の手記とギャバンとドロンの映画地下室のメロディー(銀行ギャングの映画でスミマセン)そしてフランスレジスタンス、イタリアのパルチザン等の良心的市民地下運動等をコラージュしてつけた(後略)
「まんへり」にカキコして、こっそり自分だけでも楽しもうと思ったのですけれど、あれやこれや調べているうちにボリュームが増えてしまいまして。もぉう、自己満足記事でございますよ。まさにWeb-Log。
国立新美術館モディリアーニ展
展覧会ホームページ
参考記事:
いきづく昭和/呑処 あっけらかんはレトロぢゃ語れない
白い地下に関する記述(コメント欄)
劇団白樺:白い地下
メインは<<赤毛の若い娘(ジャンヌ・エビュテルヌ)>>1918年個人蔵のポストカード
会場からの写メール。(←死語か)
東京・国立新美術館でモディリアーニ展が開催されていることは知っていたのですよ。「行きたいなぁ、観てみたいなぁ」って。まぁ、無理な望みとはワカっていたのですけれど。そうしたら、なんとエージェントさまから「国立新美術館にて」というメールが入りましてね。「うっわあ、いいなぁ」メールには題名以外一言もなかったのは、並ぶのに大変だったんでしょうね。大都市の展覧会って大抵そうなのよ。10年前東京上野で観たピカソの時もそうだった。う~ん、ピカソとモディリアーニか。運命感じるなぁ。
<<カリアティッド>>1914年
ジョエル・D・ホニッグバーグ夫妻蔵ポストカード
で、おみやげにポストカードを2枚頂戴したのですけれどね。1枚はプリミティブ(原始)美術の影響を受けた初期の作品。今回の展示会はこの手の初期の作品が多数なのが特徴のようですね。この時期のはワリとどうでもよいの、ワタシ。ピカソのキュビズムとの関連はどうなのかしらね。
ジャンヌ・エビュテルヌ(妻であり最愛の人)
通常、モディリアーニといいますと「アーモンドのような形の白い目とながーい首」が特徴とされていますわね。ワタシ、今までもこれになんだか魅かれるものはありまして、気になる作家でありました。画像はhttp://www.albatros-film.com/movie/modi-movie/museum.html#okayama より引用しましたけれど、下の絵と全然印象違いますでしょう。同じ女性なんですよ。「眼は口ほどにものをいい」でございますれば。
ああ、美しい。素敵
モディリアーニで瞳がしっかり描かれているのを意識して見たのはこのポストカードが初めてじゃないかな、と。実はワタシ、この眼差しにノックアウトされてしまってます。寝室にピンで留めてあるのですけどね、目が会うたびにキスしちゃうんですよ。眠る時も目覚めた時も見つめていてくれるのですよ。いや、正確には眼はワタシに合っていませんよね。でも微かに視線を感じてしまうんだよな。う~ん、希 望といったほうがいいのかな。「ワタシのことも見てくれたらな」みたいな。あ、そうか。だからキスしたくなっちゃうんだ。愛されたくて。
今回「まんへり」にカキコしようと色々調べておりましたら、なんとモディリアーニの生涯が映画になっていたんですね。「モディリアーニ 真実の愛」 (2004年作品)。なんと主演はアンディ・ガルシアさまじゃございませんか!!「本当の君が見えたら、その瞳を描こう」なんて、言ってみたいですわね、こんなセリフ。口にした瞬間にワタシ自分自身のカッコよさに卒倒してしまうかも知れません。「ありえねー」
ああっ、なんてカッコいい
なんたって、映画アンタッチャブルのクライマック・シーンでアンディ・ガルシアさまに痺れてしまったワタシでございますよ。主役のケビン・コスナーを喰ってましたね。ブラック・レインで松田優作さまに殺されてしまった時には哀しかったな。マイケル・ダグラスをヤリャいいんだよ。パソコンでご覧の方はぜひ是非、予告編をご覧になってくださいまし。これは借りなきゃ、というかDVD買ってしまうと思います、ワタシ。
で、ワタシがモディリアーニと出合ったのはいつであったかな、といいますと。今から20年以上前にロシア料理とウオッカの店白い地下の存在を知った時に遡ります。白い地下ってくらいですから、地下にありましてね。口の悪い方は「白い地下なのに汚い」と。場所は西1条南12丁目。今はバスタッチになってしまっているあたりですね。隣の店の名前は狸穴(マミアナ)のはず。
一番最初は学生バイトの頃いいだけ酔ったあと、先輩に連れていかれた時ですね。酔った頭に自主制作映画はきつかったな。画家兼マスターの与佐田さまは店もやりつつ、そんなこともされていたのですね。
与佐田清一郎『ヴァイオライカのみた橋』1998年端野萬造蔵
学生を卒業したあと、しばらくして通うようになりましてね。ウォッカをストレートで呷っては、酔いつぶれておりました。ピロシキ、ペリメニ、ボルシチ、ビーフストロガノフなんてのも、意外に旨くてですね。ああ、懐かしいなぁ。偶然、学生講師の頃教えた生徒が女教師になっておりまして、店で再会。チェスをしたなんてこともありましたね。勝ったんだよな、あの勝負。
で、ロシアかぶれの与佐田さまは、自作のモチーフとしてバラライカをよく描いていらっしゃいました。もう、なんにでも組み合わせてしまうのですよ。上で紹介しているのはワタシがお願いして描いてもらった水彩画です。メインは旧十勝大橋。これにまでバラライカですからね。おまけにバイオリンと組み合わせて、ヴァイオライカですもの(笑)。いやぁ、芸術家の考えることは想像を絶します。矢を追加するのも芸風なんだよな。
いっやぁ、今回の記事は延べ6時間かかっちゃいましたけれど、楽しかったな。お読みになった方は、どうでしたかね。こんなカキコも端萬クオリティということでご容赦を。
コメント(17件)
04-19 12:56
nanae
私も詳しくは語れませんが絵画は比較的好きです。
ルネサンス絵画時期の雰囲気が漂っていてモディリア
ーニは懐古な情緒を感じますね。また楽しみにしてお
ります。
04-19 17:44
端野 萬造
管理者により削除されました
04-19 17:59
端野 萬造
レオナール・フジタ展の日付間違ったので、↑削除。
>nanaeさま
ルネッサンス絵画とモディリアーニの作風に共通点を見出せるものなのですね。というか、常識的なことなのかしら!?残念ながら絵画は全然ワカリませんでね、ワタシ。でも好きなんですよ。画家の生き方、ってのに魅かれる部分があるのでしょう。特に破滅型の方に。にも関わらず、レオナルド藤田も好きなのですよ。あの『白』がなんともいえませんでね。来月札幌に行きますんで、道立美術館に寄りまーす。
http://www.leonardfoujita.jp/
ぐわ、来月じゃなくて7月12日からじゃないか。困った。なるほどね、日本にあって異邦人であった藤田嗣治に自分を重ねてしまうのかもしれません。かなり恐れ多いけれど。藤田は仏蘭西に安住の地を求めたワケですけが、ワタシのはいずこにあるのだろうか。
ごめんなさいねー。滅茶苦茶な記事にしてしまって。でもこれがワタシの限界なの。
04-19 22:29
nanae
レオナール藤田も楽しみにしています。
7月までまってますよ~。
モディリアーニの人生にも悲哀というより自由を
感じてしまいますね。彼を取り巻く女性の人生も
魅力です。彼ほど人に愛された男もいないでしょう。
ある意味うらやましいかも・・・・・
04-19 23:14
端野 萬造
>nanaeさま
7月12日から9月4日までですからね。これはバスに乗って行かなきゃならないかも、です。クルマだと運転に集中しなきゃならないし、JRだとなんだかワカラないうちに着いてしまうし。自費で行くならバスかな、と。時間掛かる分物事考えたり、本を読んだり。集中できる時間を継続して作ることができる。
映画「モディリアーニ 真実の愛」はパブロ・ピカソとの対比の図式で描かれている部分もあるようです。映画でモディリアーニはピカソに拳銃を突きつけられながら吐かれた言葉。「お前と俺の違いは『成功』だ」と。モディリアーニは36歳で亡くなり、生存中名声に包まれることはありませんでした。ピカソは90歳を超えるまで生き、生涯を華々しく終えました。どちらが幸せだったのか、は無意味な設問といえるのでしょう。
藝術に殉ずる覚悟という意味において、両者にそれほどの差はなかったのかも、という予感がしております。
04-19 23:38
トーちゃん
ズブロッカを初めて口にしたのは白い地下、でした。
あの香りと鮮烈な口当たりにびっくりしたのを覚えています。 なんたって店の雰囲気が怪しいのなんのって!!
何度か足を運んで、ピロシキとかボルシチとか頼んだなあ。
学生の頃の妖しげな思い出ではあります。
懐かしいです。
04-20 00:07
端野 萬造
>トーちゃんさま
ウオッカ。ズブロッカにしろ、なんにしろ、現在ではテキサスさまあたりでも取り扱っていますけれど、当時は白い地下でしか呑めない、というものもございましたからね。今となっては銘柄を全然憶えておりませんけれど。なんせ、大概泥酔状態でしたからね。その割には色んな話しをしていた記憶が。
珍しいところでは貴腐ワインを取り扱っておりましてね。甘くて濃厚な味わいでした。ああ、こういった世界もあるのだなと。妙に感心した記憶がございます。ハンガリー産でしたね、確か。
今考えてみると、一体あの狭い厨房でどうやってたんだろう、という感じなんですが料理はしっかり作っていたんじゃないでしょうか。札幌のロシア料理の店がどうしたこうした、なんてこともお話ししてましたから。
一体あの店の勘定って、どのくらいの水準だったのだろう。今となっては、とんと思い出せないや。
04-20 14:10
かりかり
★"萬造さーん
こんにちは。
絵画は 分かりません ワタシは。
モディリアーニ 今朝9時~テレビ入っていたようですね。
今晩20時 NHK教育テレビ 再放送 よろしければ…。
04-20 14:21
端野 萬造
>かりかりさま
情報ありがとうございます。新日曜美術館 「モディリアーニ~仮面に秘めた人生~」でございますね。今朝のは見逃してしまいましたので、再放送は万難排して観賞しなくては。
あら、司会は壇ふみさまじゃないですか。ゲストはお仏蘭西といえば岸恵子さまですよね。スッゴイ楽しみでございます。感じるものがあれば、再度コチラにて述べさせていただきましょう。
04-20 21:31
端野 萬造
たった今観終えました。「酒と女をみちずれに35歳で燃え尽きた」なんてのはワタシにとっての理想みたいなものですわね。
そうか「謎」が多い男に女性は魅かれるのか。ワタシは分かりにくいだけなので、駄目なのでしょうね(苦笑)。モディリアーニと藤田嗣治に親交があったというのは知ってましたけれど、藤田を描いたデッサンまで残っていたとは。
「モディリアーニは人一倍、孤独を恐れていた」
虚無的と捉えていた絵の表情は、最終的には「死」を表現していたのですね。仮面のような表情を描いていたに留まらず、自身にも仮面をつけて世間と渡り合っていたというのは新事実。「結核と悟られるくらいなら、まだ酔っ払いと思われたほうがいい」
(続く)
04-20 21:32
端野 萬造
(続き)
「ココナッツ」ってジャンヌは呼ばれていたんだ。実はワタシ、ココナッツ好きなんですよね。先日エージェントさまにジョエル・ロブションのスフレココいただきまして、大切に食べております。イズヤのココナッツ使ったパンも好きだったんだよな。どなたか名前憶えてません?
モディリアーニとジャンヌの悲劇的な最後については触れられていませんでしたけれど、巨匠ルノアールとのエピソードには象徴的なものを感じました。「君は絵を描いていて、楽しいかい」
最晩年に描いた唯一の自画像の表情を壇ふみさまは「すべてが透明になったような」と表現されました。けだし名言だと。ワタシも早くその境地に達したいものです。
04-20 21:33
トーちゃん
学生の身にとってはけっこう高めな値段設定だったように思います。 なんせ畜○生ですから・・・
でもマスターはその時の気分によって、とんでもなく安くしてもらった事もあったと思います。
自分の印象では、どことなく「反体制」の香りがする不思議なお店だったなあ。
テーブルに置いてあるノートにええかげんな事を書き殴ってはゲラゲラ笑っていた記憶もあります。
マスターはお元気なんでしょうか?
すいません、モディリアーニの話には全くついていけませんので・・・
04-20 21:51
かりかり
★"萬造さーん
楽しみにされていただけ期待通りにテレビ観れたようで何より (^-^)
04-21 06:22
端野 萬造
>トーちゃんさま
マスターの気分によって、ですね。なんとなく理解できる。そこらへんはワリといい加減なものでしょうね。ユルいというか。学生に対する温かいまなざしというものがあったのでしょう。ロシア(ソ連)かぶれの反体制となると年代的には1950年代くらいに遡るハズですから、マスターの青年時代と考えてもあまりに古い。世代的というより、個人的趣味だったのでしょうね。
考えてみるとワタシの場合、勘定払う時に記憶がなくなっている場合が多いわけですから、ワカんなくて当然といえば当然なのかも。
与佐田マスター、今はどうされているのか。帯広にいらっしゃるかどうかさえ、わかりませぬ。それでも、白い地下に関して記憶のあるかたにコメントしていただいて、いい供養(?)になりました。モディリアーニとあわせてアゲといて良かったな、と。
04-21 06:27
端野 萬造
>かりかりさま
ええもう、30秒ほど放映開始に遅れてしまいましたけれど、しっかり観ることができましたよ。エージェントさまにも連絡いたしましてね。最初の放映はラスト近くの部分しか観られなかったんですって。同日再放送のことはご存知なかったらしく、喜んでおりましたよ。かりかりさまのおかげで、少なくとも二人救われたということですね。感謝いたします。
06-11 17:45
しょうぞう。
白い地下・・・大阪から帰ったばかりの頃嫁さんといったことがあります。食事をしに(笑
カウンターにお一人お客様がいらしていて、お料理2~3品頼んでしまったものだからマスター大忙しでした。
お料理はおいしかったと記憶しています。
住所と名前を書いたらお葉書が来ていました。
「周辺事情の変化で閉店・移転するかもしれませんがそのときはお知らせいたします」というような内容だったと思います。
アートな葉書だった・・・しみじみ
06-12 07:53
端野 萬造
>しょうぞう。さま
おー、体験者さまでしたか。今でも店の光景が目に浮かぶようです。先日'99にいただいたロシアの店「白い地下」よりの年賀状を見つけました。薄い緑の文字でカキコされたものです。面白いので、引用してみましょう。(前略)年頭一番恐縮ですがよく聞かれる店名の自己解説をさせていただきます。思えば二十余年前、一介のロシアファンが転じ超過酷な地域状況(人の理解と自己の人望のなさゆえ)の中で始発となり当時の店の周辺も裏町という感じでひっそりとしていました。(今もそうかな?)そこでモディリアーニの女の顔を看板に店名はゆーきーの白かばなあみきーをシンボライズして(したつもり)地下はドストエフスキーの地下室の手記とギャバンとドロンの映画地下室のメロディー(銀行ギャングの映画でスミマセン)そしてフランスレジスタンス、イタリアのパルチザン等の良心的市民地下運動等をコラージュしてつけた(後略)
Posted by きむらまどか at 10:27│Comments(1)
│東京出張
この記事へのコメント
「周辺事情の変化で閉店・移転するかもしれませんがそのときはお知らせいたします」というような内容だったと思います。
Posted by 財布スーパーコピー at 2013年06月03日 11:36