新食感ラーメンは躰にも舌にも嬉しい/芽室・通りゃんせ

きむらまどか

2012年09月22日 08:53

2007年12月17日(月) 00:00 ▼コメント(9)

 もしかすると、これが今年最後の記事になるかもしれません。そのくらいの気合を込めてこの記事カキコしております。





新食感通りゃんせ

河西郡芽室町東6条7丁目1 ℡0155-62-5724
営業日 不定休 開いてないつもりの方が無難 要電話確認
営業時間 11時から 場合によっては13時前でも店仕舞い

参考記事

隠密麺喰い師の備忘録:芽室町「新食感 通りゃんせ」
↑、画像は是非こちらでもご覧になっていただきたい。

*ニソロを見上げ、モシリに立つ* :芽室 通りゃんせ
↑、辛口のぶーさまが珍しく手放しで誉めていらっしゃいます。

 いやあ、今回記事アゲるつもりで訪問したわけではございませんでね。そのせいか画像が全然駄目なんですよ。凛とした佇まいの麺なんですけど、全然ワタシの画像では伝わってきません。申し訳ない。

 メインは新食感ラーメンのややアップぴんぼけ画像。






 今日ですね、地方行脚している途中で昼食を摂ることに。久し振りにとあるラーメン店に寄りました。3回目かな。シンプルなのに個性的なラーメンでしてね。今回初めてご主人とお話しさせていただいたのですが、これがまた。

 記事にするしかあるめえ、といった内容。今月はというか今年はもう記事アゲられないかも、と考えていたのですが。「こんなこと、お客さんに言うの初めてです」

 で、是非ご紹介したい、召し上がっていただきたい、という麺です。「しゅん」では読めない情報。大体において、広告に興味がないようでした。ただ、美味い、と言ってくださるお客様の存在が嬉しい、と。
掲示板「まんぞうのへりくつ」№726より抜粋


見逃しそうな、佇まいのお店


 クルマで近づきましてね、赤字にラーメンと白抜きされたのぼりを発見しまして、「あ、今日はやってるんだな」と安堵いたしました。なんせ、このお店「いつ行っても閉まってる」と悪評が立つほどのお店。ワタシもフラれたことが数度。訪問4回目で初めて入店できた、とか。


 ところが常連はそんなこと意に介さないワケですよ。狭い店(カウンター5席、小上がり1卓)ですから、客が増えると困ると思ってるくらい。今回店に入って一瞬絶句。の、のれんがカウンターにある。

 まだ13時前でしたから、閉店(本来は14時)までは間があるだろうと踏んでいたのです。ですが、お客が切れたら閉めちゃう場合もあるのですね。「あ、もうお仕舞いでした?」「いえ、どうぞ、どうぞ」柔和な笑顔でご主人がおっしゃってくれます。助かりました。

 最後に訪れたのはもう3年以上前になりますか。今回が三度目の訪問です。芽室在住の知り合いから「萬造さん。イチオシです。是非食べてみてください」と言われたのが開店(平成13年4月)早々の頃。ブログ以外の紹介記事は北海道新聞の夕刊とコミュニティ・アイ(現在休刊中)だけ。

 なんせ狭い店なので、2名以上で訪れるのはリスクがあります。その上営業日が不定期。いつ開けられるかワカらない、という状態では宣伝するわけにもいかない。もう、常連客とクチコミ客でのみ成り立っている。ですから、ご存知の方は意外に少ないはず。

 メニューは新食感ラーメンのし。普通が700円、大が800円、小が400円。ライス(100円)も一応あります。

 新食感ではあります。でも成り立ちは極めてオーソドックスな麺です。たちのぼる香り、一口目の味わい。刺激的なものは一切ありません。全てが丁寧で優しい。そしてシンプルかつオリジナル。少なくとも十勝管内においては、似たようなものを知りません。

 基本的には薄い塩味といっていいでしょう。でも、よくある和風ラーメンとは違います。確かにかつぶしは入っていますが、とんこつもしっかり使用しているのです。そしてポイントはここにある。

 通常とんこつスープは骨をぐだぐだ煮込みます。アクごとスープにする店もありますし、徹底してアク取りする店もあります。

 通りゃんせさまでは、豚骨も鶏も野菜も煮込みますがアクを出すまでは煮ないとのこと。アクは旨味が出てしまった後のもの、とのお考えなんですね。それ以上煮込む意味はない、と。アクの出る一歩手前が素材の持つ旨味の極地であると。

 しかも豚骨もただ煮込みません。下処理を施してから煮込むとおっしゃってました。「こんなこと、お客さんに言うの初めてです」の部分。ですから、下処理の内容はカキコしないことにしました。とても手間がかかるようです。



店頭に表示してあるスープの成り立ち


 そして、煮終えたスープを裏ごしして保存します。そして、オーダーごとにその分だけ温める。とにかく煮過ぎない。タイミングを見計ることが常に要求されるのです。


 そしてラードは使用しません。あくまで素材(かつぶし、鶏、豚骨、豚肉)から出た脂肪分のみ。ラード独特の臭いを避けたいがため。ご主人いわく、「ウチのラーメンには躰にいいもの全て入っている」と。スープを残される方はほとんどいらっしゃらないと。そりゃそうですよね。あのスープを味わいたくて皆さんおうかがいするのですもの。

 ご主人に伺いました。「このラーメン、ご自身が食べたい麺なんですよね」「そうです」微笑まれながらおっしゃいました。

 元々職業料理人のご主人です。本業はあくまでそちら。でもラーメンが好きであちこち食べ歩いて自分の理想の味を追い求めたのだそうです。そして出た結論は自分で作るしかない、と。



自信作・新食感ラーメン


 ご主人もおっしゃってましたが、初めての方は一口目、味が薄めだなと感じられるかもしれません。最後に丁度良くなるような塩加減にされています。それが飽きずに最後一滴まで味わい尽くせるスープの秘訣。

 最初にインパクトを与えてしまって、舌を麻痺させてしまうスープってあるのですが、その対極にあるスープです。最初から最後まで、とにかく優しい、当たりが柔らかい。自然な味わいなんですよ。無理がない。



ゴメンよ。ぼけぼけ画像で




 麺は細麺です。繊細なスープによく馴染みます。コシはしっかりありますので、頼りなく感じることはありません。


 具はチャーシューではなく、スペアリブを煮込んだもの。食べにくければ、骨ははずして皿においてしまえばよろしい。ワタシはそうします。画像ではワカリづらいですけれども、煮玉子もしっかり。おでんの玉子を味わうがごとくのスープとのコラボレーション。



おしぼり、氷入りお冷や、そして黒胡椒と白胡椒
しっかりしたお店ですよね



 食べ終わった後、胃に堪える感じが全くありません。細麺と余計な脂肪がないスープのお陰なんでしょうね。毎日食べても平気でしょう。


 いつ店を開けられるかわからないので、それで迷惑をかけることが申し訳なくて、とご主人。でも、そんなの構わない、とワタシは思います。舌をリフレッシュさせたい時、休ませたいと感じた時に味わえればいいのですから。

 繰り返します。通りゃんせさまの新食感ラーメンには強烈な個性はありません。ラーメンとして実にオーソドックスな成り立ちをしているからです。作り方がひたすら丁寧なゆえ、そこにオリジナリティが生じているのです。

 立ち寄る機会があれば是非味わっていただきたい。ただし、休業日であることの覚悟は忘れずに。リスクを避けるためには、電話確認が肝要です。



コメント(9件)


2007-12-17
くどっち
これはとっても気になるラーメン屋ですね!

麺食いくどっち
近日行ってみたいと思います



2007-12-17
ぶー
リンクして頂いてありがとうございます♪行列必死になっても可笑しくないお店でありますが、どうしてどうして混んだら混んだであんまり嬉しくない私は親父さんにとっては嫌なお客さんなのかもしれません(笑

さて私もそろそろブログ復活しますかね^^ネタばかり貯まり、記事に出来ていないのは萬造さま、私も一緒でございます(汗




2007-12-17
七誌です。 @plala.or.jp
萬造さま、マニアック的ですが今年最後の〆にはもってこいのネタだと思います。

新食感ラーメン、味噌、塩、醤油が無い・・・味は一種類のみ。

でも塩ラーメンですよね。

味的にインパクトは無いです。

でも優しい味で飽きが来ない、雰囲気もアットホームでよろし。

いつ営業しているか判らないスリル感・・・侮れないお店です。

こう言ったネタは私のストライクゾーンです。

これからも斬新なネタを宜しくお願いします。




2007-12-18
端野 萬造
>くどっちさま
 ようこそお見えくださいました。マイとかち参戦以前からYahooブログはしばしば覗かせていただいておりましたよ。貴殿は全国区でいらっしゃるから。

 通りゃんせに出掛けられる際は、くろさまもお連れになってくださいましね。お二人が新食感ラーメンをどのように評価されるか、非常に気になります。

 とかちビストロ・マリアージュさまでお会いできたらよろしいですね。その時は杉山さまと赤部さまにもお話伺いたいですわあ。

>ぶーさま
 あのご主人、それほど多くのお客さまに来てもらいたい、という雰囲気でもなさそうですよね。ただ、自分が好きな味を喜んでもらえる人に食べてもらうことに遣り甲斐を感じているというのかな。

 商売の割りに効率悪いもの。あれで700円で、しかもおしぼりと伊藤園のお茶までついてくるという。器からなにから、一連のこだわりで成り立っているのでしょうね。




2007-12-18
端野 萬造
>七誌です。さま
 お見えになると信じてました。貴殿でしょ、ぶーさまでしょ、くどっちさまにくろさま。これに成行さまが加わって、「十勝帯広行ってはいけないあんな店こんな店」っていう座談会なんかやったら酷いことになるでしょうね。

 そこに今はマイとかちで遺憾ながらも干されているcaskさまが加わろうものなら、もう大変。でも楽しいだろうな。こうやって店も客も鍛えられて高められていく。あ、takaお嬢さまも忘れちゃいけない。

 斬新なネタですか。ご期待にそえないの残念ですけれど、もう難しいんじゃないかなぁ。某ラーメン店の画像は用意されているのですけれど、ペンディングになってますし。あれはお蔵入りだね、恐らく。

 どうも味に伸びがなくて、将来がとっても不安でして。第2のラーメンだるまにならなきゃいいけど。






2007-12-18
ぶー
萬造さま

七誌さまコメントで横レス失礼です(笑

座談会面白そうですね♪くろさまってあの「くろにっき」のくろさまでしょうか?だとしたらネットの世界も狭いもんですねえ。他の皆様もブログをされていらっしゃる?!きっと私知らずのうちに拝見しておるかもしれません^^


あっ!「だるま」に強く反応(笑

いやーあれはホントにゴニョゴニョ……でした。萬造さまも同様に感じておられるのでしょうか気になります。ラー写まだ現存しておりますのでいずれ記事にするつもりでおりました。まぁいずれ(笑




2007-12-18
端野 萬造
>ぶーさま
 くろさまはその「くろにっき」のくろさまです。某所でいきなり「萬造さんですか」と声を掛けられて驚いたことがございます。それがくろさまでした。

 十勝という限定された地域で活動しているワケですから、気になる対象ってのは当然のように重なります。その中でも切り口や内容で、あ、なんかこの人のはオモシロいというものは必ずある。お互い認め合える存在になれるというのは嬉しいものです。

 「だるま」さまはねえ(笑)。最初の頃が一番良かったんぢやないかという。あれだけ言ったのに、麺は固ゆでにならなかったし。




01-19 20:29
おさるのかぐや彩優木
二日連続で残念!でした。
開いてるときはのぼりがあるの?
のれんが外に出てるのかな?

御影に通う間に訪れてみたかったけどどうかなぁ?

ま、楽しみは後にとっておいて方がいいですねo(*^ー ^*)oにこっ♪




01-20 07:36
端野 萬造
>おさるのかぐや彩優木さま
 覚悟の上で訪問されているとは思いますが、お気の毒です。のぼりが出ていれば、開店しているハズです。実は閉店している状態をあまり気にしていないもので。のれんがしまわれていても、店主がいらっしゃれば、対応していただける「可能性」はありますね。

 そうですね、シーズン中なら気楽に寄れますものね。

 芽室町「あかずきん」http://r.tabelog.com/hokkaido/rstdtl/1001952/ はいかがでしょう。ご家族でご利用されるのには最適です。「ネギかつ丼」はオモシロいですよ。

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